近年では、男女平等や社会的マイノリティである人が活躍できるよう、ダイバーシティの推進が広がっています。
働き方に多様性が求められるなか、女性リーダーの少なさが課題となっています。実際に日本国内ではまだまだ女性リーダーの数が少なく、企業は輩出を目指し工夫が求められています。
当記事では日本国内で女性リーダーが少ないと言われる理由や、企業や従業員が意識したいポイントを解説します。企業を選ぶ際は働きやすさに着目する方法もオススメです。
目次
日本は女性リーダーが少ない
結論として、日本では女性リーダーの割合が低い傾向にあります。厚生労働省が発表する調査によると、女性を役員とする企業は全体の33.4%です。課長相当職で見ると53.2%と過半数を超えますが、役員クラスになるとパーセンテージが大きく低下します。
また、正社員の割合についても女性の正社員は27.4%と低い数値が出ており、男性の72.6%と比較して非常に少ない傾向が伺えます。
世界と比較して日本の女性リーダーは少ない傾向にある
女性リーダーの少なさを世界規模でも確認しましょう。
日本における女性リーダーの割合は、世界では146か国中116位との結果が出ています。同調査における「健康」「教育」の項目で日本は上位にランクインしていますが、女性参画がキーポイントである「政治」「経済」については諸外国に遅れを取っているのが現状です。
国内だけでなく世界各国との比較からも女性リーダーの活躍機会が少ないとわかります。
日本に女性リーダーが少ない理由は3つ
ここからは日本国内で女性リーダーが少ない理由を考察します。
昭和的思考の名残
かつての日本では「男は働きに行き、女は家を守るもの」という認識が定着していました。男性は朝から晩まで外で働き、女性は家事や育児を行う役割分担が明確な習慣が根付いており、その考え方を捨てきれていない点が理由として挙げられます。
女性が結婚し仕事をする中で「私は共働きでパートナーと家事育児は協力してやろう」と考えていても、親世代や祖父母世代が古い考え方を認識している場合、影響される可能性もあります。
あまり想定したくはありませんが、夫婦二人で子どもの送迎や食事づくりなどを分担していると「なぜ奥さんがやらないのか」と声をかけてくる年配の方も少なくありません。かつての生活様式や考え方は今も深く根付いています。
家事・育児の負担が大きい
昭和的思考が反映され、女性は家事と育児への負担が大きい傾向にあります。近年は学校や保育園の行事に男性の参加が多く見られ、イクメンという言葉が出るほど父親の参加が広がりつつあります。しかし、家事と育児の主軸を担う女性は多いでしょう。
たとえば、子どもが熱を出し保育園からの呼び出しがあった場合や小学校の懇談会などが挙げられます。家事や育児の担当バランスも女性リーダーを輩出する際の課題です。
ワークライフバランスを維持しながら働く仕組みが整っていない
社会の体制として女性リーダーが活躍できる舞台が整っていないのも原因です。
古くからの考え方でできている会社の福利厚生や昇給方法、国の支援はまだまだ改善の余地があり現状に追いついていません。
育児休暇がとれるとしても、育休をとると昇給が不利になったり希望の部署で働けなくなったりする現状が女性の進出を阻みます。女性が企業に貢献したいと考えていてもライフステージの変化に制度がマッチせず諦める現状が待ち受けています。そのため現状制度の改善が欠かせません。
女性リーダーが活躍するメリット
ここからは女性リーダーが企業で活躍するメリットを企業向けに紹介します。女性の働きやすさに意識を向けると、企業成長に繋がるでしょう。
社内の働きやすさを促進する
女性が働きやすい職場はワークワイフバランスがとれる特徴があります。そのため、家事育児の負担がない方にとっても働きやすい職場の実現に繋がるでしょう。育児中や介護中の方の負担を他の方が担っている場合、企業としてマイナス要素ですが、すべての従業員が無理なく働く仕組みづくりができるなら、働き方改革が成功します。
もちろん人的リソースには限りがあるため、道のりは険しいでしょう。しかし、ツールの導入や評価体制の見直しなど、できることから着手することが必要となります。
ダイバーシティ推進に繋がる
ダイバーシティは多様性を指し、年齢や性別、宗教や国籍を超えてさまざまな人が共存し合える社会づくりを表しています。女性リーダーの輩出には多様性の認知が欠かせないため、取り組みを進めるとダイバーシティの推進にも寄与します。
社会的評価の向上
女性リーダーが多く活躍する企業は社会的評価も高まるでしょう。女性やハンディキャップを抱える方への配慮が求められる昨今、企業規模での取り組みをアピールできると顧客からの期待値が高まります。
また、企業の認知度が高まるにつれて共感し、入社希望の方も増えるでしょう。士気が高い従業員が増えると既存従業員のモチベーションアップにも繋がります。
優秀な人材の定着と企業発展
優秀な人材が定着すると企業は発展し続けます。離職率が低下するとノウハウの伝授も行え、企業が永続的に成長できるでしょう。離職率を下げるためには働きづらさを感じる方へのヒアリングや対応が欠かせません。
女性リーダーの活躍を視野に入れる場合、企業成長にも繋がります。
女性リーダーを増やすために必要な2つのポイント
ここからは企業が取り組みたい2つのポイントを紹介します。企業は女性リーダー候補にフォーカスした取り組みを行う必要があり、従業員は理解し合う認識が欠かせません。
企業は女性リーダーをターゲットにした社内体制を整える
企業がリーダーを育成する場合、独自の社内研修や外部のリーダーシップ研修を経て未来を担う人材を育てます。しかし、従来の研修は女性の社会進出を網羅しきれておらず、現実とギャップを抱えるカリキュラムが多いでしょう。
企業ができる取り組みとして、一般的な管理職育成とは別に女性リーダー用の研修を充実させる方法があります。
ビジネスのテクニックはもちろん、結婚や出産を経験する可能性を見越し、保育士や先生など家庭をサポートする人との交流機会を設けると良いでしょう。また、最近では介護と労働のバランスも課題のため、福祉業界との繋がりを企業からも持たせる方法も効果的です。
各従業員は育児や介護に理解を示す意識を持つ
働く従業員全体が育児や介護、ハンディキャップへの理解を深めましょう。働く上で困難を抱える方に対して遠慮したり、過度な配慮をしたりするのではなく、どのような生活スタイルで何に困っているかへの理解が大切です。
たとえば「時短勤務がしたいのではなく、介護や通院で中抜けがしたい」「子どもの行事で数時間抜けるからフレックスだと十分な時間働ける」など、当事者にしかわからない困り事や課題を認識すると、どのように仕事を分担すればいいか見えてきます。対象者の困りごとを共有し、部署内でバランスをとる意識や働きが欠かせません。
しかし、ハンディキャップを抱える方に配慮したしわ寄せは他の従業員に蓄積されます。会社がフォローする体制を整えて、誰一人働きづらさを感じない仕組みづくりを推進する必要があるでしょう。
まとめ
近年は労働の担い手が減少しています。働ける人が減る中で、これまで活躍の機会がなかった人々に注目が集まり、ハンディキャップを抱える方が活躍できる環境づくりが進んでいます。
しかし、制度がまだまだ追いついていないことから、各企業や従業員が多様性を受け入れ、ともに支え合う心がけが欠かせません。多様性を認めながら働ける職場は今後成長が見込まれます。転職を検討する場合、さまざまな働き方が可能な企業を選ぶと長く働けるでしょう。
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