キャリアアップのために、コンサルタントへの転職を検討している方もいるでしょう。興味はあるものの、どのような業務を担当するのかが曖昧だったり、転職するためにどのようなスキルが必要かわからなかったりして、なかなか転職に踏み切れないケースもあるはずです。
本記事では、コンサルタントへの転職に挑戦したい方に向けて、コンサルタントの業務内容やコンサルタントの種類、そして求められるスキルについて詳しくご紹介します。
目次
コンサルタントとは
コンサルタントとは、特定の分野についての深い知識や経験をもとに、課題に対する解決策の提示や助言を行う専門家を意味します。主に、法人のクライアントの相談に乗ります。
コンサルタントの重要な役割は、課題を抱える企業の最適な相談役やサポート役となって、経営上の課題や問題を解決に導くことです。ライバル企業との競争に打ち勝つために、他社との差別化をはかり、優位性を高めるための施策の企画や立案も行います。
近年は、企業の課題認識から難易度の高い解決策の実施までを担うケースが多くなっており、コンサルタントに求められるスキルや能力は高くなりつつあります。
【ファーム別】コンサルタントの仕事内容
コンサルタントが担当する仕事内容は、所属するコンサルティングファームによって大きく異なります。コンサルタント業務の主な分野や種類は、次の6つです。
・戦略系コンサルティングファーム
・総合系コンサルティングファーム
・財務系コンサルティングファーム/FAS
・人事系コンサルティングファーム
・医療系コンサルティングファーム
・再生系コンサルティングファーム
戦略系コンサルティングファーム
企業の経営上の課題を解決するために、戦略策定やアドバイスをするコンサルティングファームです。主な担当業務は、下記のとおりです。
・企業やサービスなどのM&A戦略
・企業の中長期の成長戦略
・新市場参入戦略
・新規事業戦略
・企業全体の課題解決に向けた戦略策定支援
・マーケティング戦略
・IT戦略
戦略系コンサルティングファームでは、特定の事業に関するプロジェクトや、戦略や会計など機能別の課題に関するプロジェクトなど、幅広い業務を担当します。
最近では、プランの策定から実行までを担うケースが増えており、戦略系といえどプロジェクトの範囲は年々広がっています。
総合系コンサルティングファーム
総合系とは、その名称のとおり、さまざまなプロジェクトに対応できる組織構造を持つコンサルティングファームのことです。特定の分野に縛られず、幅広い領域にわたるコンサルティング業務を提供しています。
総合系コンサルティングファームは、取り扱う経営課題が多種多様で、各領域の専門組織を構成しているのが特徴です。
金融・製造・通信・公共機関など産業ごとの「業界別チーム」と、戦略や会計・人事組織・SCMなど、すべての業界に共通するような横断的な課題を解決する「機能別チーム」に分類し、あらゆる分野のクライアントを担当します。
財務系コンサルティングファーム/FAS
別名「FAS(ファイナンシャル・アドバイザリー・サービス)」とも呼ばれている財務系コンサルティングファームは、M&Aや財務に関連する課題解決に特化したコンサルティング業務を担います。
会計や法務などの専門知識も豊富なことから、M&A支援だけでなく、企業再生支援やフォレンジック、企業価値評価もカバーするサービス領域です。
ここ数年は、日本企業が海外企業を買収するM&Aも積極的に行われていることから、財務系コンサルティングファームは、今後さらなる発展が期待されています。
人事系コンサルティングファーム
人事系コンサルティングファームとは、その名のとおり人事に関するさまざまな課題に特化したコンサルティングファームです。
人事と一言でいっても、取り扱う業務範囲は幅広く、以下のような分野に対応します。
・経営者の報酬制度の設計・調査
・給与制度や評価制度の改革
・人材開発戦略策定
・人材能力開発
・確定拠出型年金の導入
・退職給付制度の改革
上記のように、給与制度や評価制度の改革のみならず、福利厚生や年金に関連するサービスも提供するのが特徴です。なかには、人材能力開発のためのプログラム策定から開発、提供までの一連のサービスに特化したコンサルティングファームも存在しています。
人事系コンサルティングファームは、企業の変革期に携わるケースが多く、大きなやりがいを感じられるでしょう。
医療系コンサルティングファーム
医療系コンサルティングファームとは、主に大学病院や診療所、介護施設など、ヘルスケア領域のコンサルティングを専門とするコンサルティングファームを指します。
コンサルティングファームによって特化する領域は異なるものの、主に次のような分野のサービスを提供しています。
・医療機関の中長期ビジョンの策定
・医療機関の戦略構築支援
・M&Aの計画策定
・資金調達実行支援
・現場のオペレーション業務の改善
・施設の建て替えや売却などの支援
・IT化やDX化支援など
このように、医療系コンサルティングファームは、ヘルスケア領域の企業や事業者が抱える幅広い課題解決に特化しています。
再生系コンサルティングファーム
再生系コンサルティングファームとは、経営状態が悪化した企業の立て直しを目的としたコンサルティングを専門に扱うコンサルティングファームのことです。
企業の内部まで入り込み、事業再生や企業再生を支援する業務を提供します。
単独のコンサルティングファームのみで企業再生に向けた支援を行うケースは非常に稀で、大手会計事務所などが中心となって、再生チームを強化・拡大しながらサービスを提供するケースが一般的です。
コンサルタントの給与・平均年収
コンサルタントは、仕事内容だけでなく、年収も所属するコンサルティングファームや役職によって大きく変動するのが特徴です。
外資系コンサルティングファームの平均年収の目安は、次のとおりです。
役職 | 年齢 | コンサル歴 | ベース収入 | 業績賞与 |
アナリスト | 22~28歳 | 0~3年 | 500~800万円 | 固定給の20%前後 |
コンサルタント | 25~35歳 | 0~6年 | 900~1,300万円 | 固定給の20%前後 |
マネージャー | 28~40歳 | 2~10年 | 1,400~2,000万円 | 固定給の30%前後 |
プリンシパル | 32~45歳 | 5~15年 | 1,700~2,500万円 | 固定給の30%前後 |
パートナー | 35歳以上 | 7年以上 | 2,500万円以上 | 業績によって異なる |
業種や役職によって左右されるものの、30代のコンサルタントの場合は1,000~2,000万円ほどの年収を得られるケースも珍しくありません。
コンサルタントに求められるスキル
コンサルタントとして求められるスキルは多岐にわたりますが、特に重宝されるスキルは次の3つです。
・英語力
・コミュニケーション能力
・論理的思考力
それぞれの内容について詳しくみていきましょう。
英語力
コンサルタントは、グローバルな案件も多数取り扱います。特に、戦略系コンサルティングファームへの転職を検討している場合は、TOEICやTOEFLの一定以上のスコアが求められるケースがほとんどです。
もちろん、国内のみで完結するプロジェクトもありますが、英語力があれば取り扱える案件はより広がります。ビジネス上でコミュニケーションが取れるだけの英語力は、身につけておく方が良いでしょう。
コミュニケーション能力
プロジェクトでは、クライアントやチームメンバーなど、さまざまな人たちと協力しながら業務にあたります。会話のなかから相手の意見・意図・要望を正確にくみ取れるかが非常に大切であるため、コミュニケーション能力は必須のスキルといえるでしょう。
論理的思考力
論理的思考力(ロジカルシンキング)は、プロジェクトを進めるにあたって、課題の特定や情報収集、問題解決策の策定など、すべての工程で必要とされるスキルです。
複雑な事柄を単純な要素に分解・整理し、ゼロベースで仮説を積み上げていく能力が必要となるでしょう。
まとめ
コンサルタントが担当する業務は、所属するコンサルティングファームによって大きく異なります。
コンサルタントへの転職を希望する場合は、これまで培ったスキルや職種で得た専門知識を活かせる分野のコンサルタントを目指していきましょう。
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