企業の福利厚生は転職時に注目したいポイントのひとつです。社会保険や交通費など、どの企業でも見られる福利厚生から、企業独自の取り組みなどさまざまなため、求人を確認する際に必ずチェックしてみましょう。
今回は令和の時代背景やトレンドにあわせた福利厚生の傾向を紹介します。近年注目度が高い健康やライフワークバランスの維持に欠かせない取り組みが福利厚生にも見られます。
目次
令和の福利厚生はどうなる?現状を紹介
福利厚生には社会保険や交通費など一般的なものが多く見られますが、それら以外にも時代に合わせて福利厚生の内容が変化してきています。
ここでは企業の福利厚生について、法で取り決められている法定福利と、企業独自で取り組む法定外福利に分類して傾向を解説します。
法定福利は上昇傾向
出典:日本経済団体連合会
「第 64 回福利厚生費調査結果報告 2019 年度(2019 年 4 月~2020 年 3 月)」
日本経済団体連合会が発表した第64回福利厚生費調査結果報告によると、保険や年金など社会保険を含む法定福利は2003年度に7万円台を超え、2013年度には8万円台を超えて上昇傾向にあります。なお、2019年度においては、従業員1人1ヵ月当たりの金額が84,392 円でした。対現金給与総額比率は15.4%で前年度同様、過去最高の結果が出ている点が特徴的です。
法定外福利は下降傾向
同調査によると企業が任意で実施する法定外福利はゆるやかな縮小傾向にあると判断できます。具体的数値としては、従業員1人1ヵ月当たりの法定外福利金額は前年度減で24,125 円です。なお、構成比としては、医療・健康費用の構成割合が増大している特徴があります。
医療・健康の福利厚生を重視する傾向
先述のとおり、近年はヘルスケアに対する福利厚生を整備する傾向が強く見られます。実際に企業がヘルスケアにかける金額は増加傾向にあり、2018年度は3,161円、2019年度は3,187円という結果が出ています。
いわゆる「ハコモノ」は減少傾向
かつて、多くの企業がリゾート施設を借りたり買い上げたりし、従業員が福利厚生として使えるハコモノが人気でした。飲み会や社員旅行などレクリエーション活動への費用補助もかつては盛んでしたが、近年は減少傾向にあります。
実際に2019年は2,069円、2018年は2,124円と減少傾向が続きます。プライベートの時間を大切にする流れを受けて、飲み会やイベントを思い切って無くす企業も増えています。さらに、コロナ禍の影響で社内の飲み会や旅行が中止になり、再開しないケースも多く見られます。
福利厚生の内容は時代のニーズや人々の生活様式によって左右されると言えるでしょう。
【令和の時代背景を反映】かわった福利厚生を紹介
ここからは令和のトレンドを反映した企業の福利厚生を6つ紹介します。健康やリモートワークを重視した福利厚生が目立ちます。
禁煙外来補助制度
近年は喫煙者に対して禁煙を促す福利厚生が見られます。
喫煙習慣は当人の健康を損なうだけでなく、普段かかわる人たちにも影響を及ぼすため禁煙が好ましいでしょう。また、法整備も喫煙者に対して厳しいものになっていることからも、企業がサポートし従業員の健康を維持するために有効です。喫煙習慣はリスクが高いため、大切な人材の健康を守ることも企業の努めだと言えるでしょう。
メンタルサポート
メンタルヘルスに支障をきたす方が多い中、企業として従業員のメンタルサポートを行う動きも見られます。産業医への相談だけでなく、ストレスを解消できる特別休暇の制定や原因となる育児や介護に対するサポート制度などが挙げられます。
スポーツジム
福利厚生の一環として、フィットネスクラブやジムの費用を一部負担する企業も見られます。会社近くのジムに通い放題だったり、社内にフィットネスルームを準備したり、体作りに力を入れる福利厚生もあります。
パソコンやソフトの導入費用
コロナ禍以来、リモートワークが普及し、自宅でより業務に注力できるよう福利厚生を充実させる企業も見られます。具体的にはパソコンの貸与や快適に業務を行うための周辺機器やソフトの導入を負担するなどが挙げられます。
フルフレックス勤務制度
一般的な勤務時間だけでなく、自分で時間を決められるフルフレックス制度の導入も福利厚生の一環です。フルフレックスの場合、決まった勤務時間(コアタイム)がないため介護や育児と仕事を両立可能です。物やお金で提供するのではなく、従業員や時代のニーズを叶えた福利厚生として特徴的です。
光熱費の一部負担
リモートワークの広がりで課題となる光熱費の問題も福利厚生で解消できます。リモートワークになってから電気代が数千円上がった従業員に対して、光熱費を一部負担したり一定額を支給したりする企業も多く見られます。さらに、物価高に対応して臨時で給付金を出す企業も確認できます。
令和ならでは!リスキリングに関する福利厚生
ここからは政府主体で取り組みが進む「リスキリング」に関係する福利厚生を紹介します。リスキリングは新たな分野で資格やスキルを身に着けることを指し、業務に関係ない用に思えます。
しかし、リスキリングを従業員に推奨すると、従業員自身の選択肢のひろがりだけでなく、新たに得たスキルを会社名で活かしてくれるでしょう。実際に、これまで凝り固まった視点で業務に励んでいたけれど、リスキリングを機に視点が変わり、アイディア創出の可能性もあります。
各従業員のスキルアップは企業の成長を助けるため、長期目線での投資がおすすめです。
資格取得費用負担
リスキリングは関連する資格を取得して形に残せる場合があります。一例としては、社労士や司法書士、中小企業診断士などが挙げられます。資格取得には費用がかかるため、従業員は自費で着手しにくいでしょう。しかし、企業の福利厚生として資格取得費用を一部負担すると、従業員のスキルアップをサポートできます。
書籍購入費用負担
資格を取らずとも、仕事に必要なマインドセットや業務改善策を身につける点も広く見るとリスキリングの一環です。その際に必要な書籍購入費用を会社で負担すると、従業員の学びたい意欲をサポートできます。
また、書籍を読んだ感想や考えを社内で共有すると会社の資産として情報やノウハウを活用できる点もメリットです。
従業員のスキルアップサポートは企業成長にも直結する
一見、業務に関係ないことを従業員に学ばせ、費用を負担するのは非生産的に思えるでしょう。しかし、従業員が新たなスキルを獲得すると変化が激しい現代においてメリットがあります。
日々新たなアイディアや対応が求められる中、企業が生き残るために従業員のリスキリングが力を発揮する可能性もあるでしょう。また、従業員のスキルアップを会社が「自分事(企業事)」ととらえることは従業員の信頼度向上にも寄与します。
まとめ
近年は福利厚生でも健康や従業員のライフスタイルをサポートする動きが見られ、禁煙のサポートを行ったりジムやフィットネスの補助を導入したりする企業が現れています。
また、従業員が幅広い知識をつけ、新たなキャリアを見出すきっかけとして資格取得や書籍購入のサポートも目立ちます。転職を検討する際は給与や残業時間の確認以外に福利厚生にも目を向けると良いでしょう。
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