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【2024年4月】労働基準法改正により5年間猶予を受けていた業界の働き方はどう変わる?

労働者の労働環境を守るためにある労働基準法は社会環境の変化に合わせて改正を繰り返しています。2024年4月には、時間労働の上限規制の適用に5年猶予が設けられていた事業に対しての適用が開始されます。

本記事では、労働基準法の概要から2023年までに改正されている内容の一例、時間外労働の上限規制に関する課題や改善方法などをご紹介します。
該当する業界への転職を検討している方は、現状どのような課題があって、どのような改善策が挙げられているかを把握する参考にしてください。

そもそも労働基準法とは

労働基準法とは、賃金の支払の原則や労働時間の原則、時間外や休日労働などに関して基準となる内容を規定している法律です。雇用者側が守る必要のある最低限のルールを定めています。労働基準法は、事業者と労働者の間で結ばれた雇用契約よりも優先される点を覚えておきましょう。また、労働基準法で定められた基準以上の勤務条件を提示している場合、原則新しくルールを定める際は現状よりも低下させてはいけないとされています。

労働基準法の目的

労働基準法には、最低限の基準を定めて労働者を守る目的があります。事業者と労働者は対等な立場とされているため、本来双方にとって不利益がない契約を交わす必要があります。

しかし、労働者は生活に必要なお金を稼がなければならない立場のため、事業者が優位な立場になりやすいのが現状です。事業者が立場を利用して無理な労働を押し付けて、労働者が不利な立場にならないよう労働基準法が必要です。生活を営むために必要な内容を守るための法律といえます。

労働基準法の対象者

労働基準法の対象者は、基本的に日本国内で働くすべての人です。正社員やアルバイトなど雇用形態は関係ありません。正社員、パート・アルバイト、有期労働契約者などすべての働く人が労働基準法の対象となり、労働環境を保護してもらう権利があります。

ただし、近年増えてきているフリーランスの契約は請負や業務委託にあたるため原則労働基準法の対象外です。

2023年までに適用されている改正内容

労働基準法は今までに何度も改正が行われています。たとえば、2022年に改正された内容は育児・介護にまつわること、パワハラに関することなどです。改正により、出産して8週間以内であれば4週間の休暇を分割して2回まで、1歳になるまでは分割して2回の育児休暇の取得ができます。

また2020年、大企業に適用された労働施策総合推進法が2022年4月から中小企業にも適用され、職場でパワーハラスメントを防止するための対策を立てることが義務化されました。

2023年には、月60時間を超える時間外労働に対して支払う割増賃金率を50%に引き上げるとともに、育児休業取得状況の公表を義務化する法改正が行われています。

5年間猶予があった業界でも時間外労働の上限規制が適用される

時間外労働の上限規制について5年間猶予を設けられていた一部の事業や業務についても、2024年4月からは適用が開始されます。2019年には大企業、2020年には中小企業に対して設けられた時間外労働の上限規制ですが、実はすべての事業に適用されていたわけではありません。

建設業界や運送業界、医療業界、2交代制勤務のある業界では、長時間労働の背景に業務の特殊性や取引慣行の課題があるため、適用開始まで5年間の猶予が設けられていました。2024年4月に5年間の猶予が終了するため、他の事業と同様に時間外労働の上限規制が適用されることになります。

そもそも時間外労働の上限規制とは

2019年、2020年と続けて改正が行われた時間外労働の上限規制ですが、具体的な内容を把握していない方も多いのではないでしょうか。こちらでは、改正された内容を詳しく紹介します。自分の働き方が労働基準法に沿っているか確認するためにも理解しておきましょう。

法定労働時間の上限は「1日8時間・週40時間」

法定労働時間とは、労働基準法で定められている労働時間です。現在、労働基準法第32条により「1日8時間・週40時間」と定められています。

そもそも労働時間とは、労働者が事業者の指揮命令下において働く時間を指しています。また、所定労働時間は法律ではなく各企業の就業規則により定められた労働時間です。企業は原則、法定労働時間を超えない形で所定労働時間を定める必要があります。

法定労働時間を超える場合36協定の締結が必須

事業や業務の内容によっては法定労働時間を超えてしまう期間が発生してしまうこともあるでしょう。その場合は、企業と従業員の間で36協定を締結する必要があります。36協定を締結すると「1日8時間・週40時間」を超えた労働が可能です。ただし、法定時間を超過した時間外労働は「月45時間・年360時間」までと上限が決められています。

特別条項付き36協定とは

先述した36協定の労働時間をさらに超える労働が発生してしまう場合、企業と従業員の間で特別条項付き36協定を締結する必要があります。特別条項を締結すると以下の上限まで労働が可能です。

・年720時間以内の時間外労働

・時間外労働と休日労働の合計が月100時間未満

・時間外労働と休日労働の合計が2~6か月の間で平均80時間以内

・月45時間以上の残業は年6回まで

5年間猶予のあった各業界の労働時間における現状と課題

適用後すぐの実施が難しいとされ、5年間の猶予が設けられている建設・運送・医療・2交代制勤務のある業界の現状と課題を解説します。

労働者不足や高齢化、特殊な業務による長時間労働などさまざま課題を抱える事業の課題を把握し、転職時には解決に取り組む企業を探すための参考としてください。

建設業界の現状と課題

国土交通省が公表している「建設業界の現状とこれまでの取組」では、建設業の労働時間は全産業の平均と比較して年間300時間以上多いと報告があります。労働者の年齢層の内訳をみてみると、60歳以上の高齢者が全体の25.2%を占めている現状です。

また、建設業界では現場への直行直帰が多く、始業・終業・残業・休憩時間の正確な把握が難しいことも課題の一つです。

運送業界の現状と課題

運送業界では、ドライバーの長時間労働と低賃金が常態化している課題があります。さらに、労働基準法の改正により時間外労働の上限規制が適用されればドライバーひとり一人の労働時間は短縮されますが、ドライバー不足が深刻化すると懸念されています。

また、時間外労働によって得ていた賃金が減るため、全体の収入が下がることも課題の一つです。法改正適用後の課題を解決するためには、収入アップによる労働者の確保が欠かせません。

医療業界の現状と課題

医療業界で働く人々は労働に関するさまざまな課題を抱えています。たとえば、長時間労働、時間外診療、早朝・深夜シフト、事務作業の負担、新しい技術の習得、昼夜問わず患者さんへの対応が求められるなどです。一人ひとりが幅広い業務を担わなければならない環境で負担の増加が深刻化しています。

法改正適用後、単純に労働時間を削減してしまうと医療体制に問題が生じてしまうため、勤務環境の整備が求められます。

2交代制勤務のある業界の現状と課題

24時間体制で働く必要のある業界では、2交代制勤務での就業対応が一般的となっています。

そのため、法改正適用後は長時間労働を解消する取り組みを進める必要があります。2交代制から3交代制に勤務形態を変更することで長時間労働の改善が可能ですが、そのためには労働者の確保と賃金の維持・引き上げが課題です。

2交代制勤務を導入している業界には、砂糖製造業、ホテル、運送業、介護施設、入院施設のある病院などがあります。

労働基準法改正を受けた業界の取り組み

2024年4月からの適用を受けて、各業界が労働環境を改善していくためにはどのような取り組みが必要であるかを紹介します。転職を考えている業界や企業が労働環境に対する改善や整備を行っているか確認するためにも、具体的な取り組み内容を把握しておきましょう。

労働時間の適切な管理

2024年4月から時間外労働の上限規制が適用されるため、適切な労働時間の管理が欠かせません。手作業の管理は手間がかかる上にミスが発生しやすいデメリットがあります。

直行直帰で勤務時間の把握が難しい業界でも、スマホやタブレットと連携できる時間管理システムを導入するといった改善が必要です。

業務効率化による残業削減

時間外労働を発生させないためにも、業務の効率化は欠かせません。デジタル化による事務作業の負担軽減も一つの手段です。たとえば、発注書や請求書、契約書などをデジタル化することで相手先とのやり取りにかかる工数を削減できます。

紙の契約書では相手先から直接署名や捺印をもらっていたのが、電子契約で済むようになれば事務手続きの負担が減り、他のコア業務に集中して取り組めるでしょう。

従業員の定着を図る環境整備

労働者の離職を増加させてしまうきつい・汚い・危険の3K環境の改善も重要です。たとえば、建築業界では雨の日に作業を中断する必要がある中、決められた工期までに完成させなければいけないため、工期をぎりぎりに設定してしまうと遅れを取り戻すために土日祝でも稼働を余儀なくされます。

過酷な環境下かつ低賃金の業界は新しい働き手を遠ざけてしまうでしょう。環境改善として新3K(給与・休暇・希望)を実現させるための取り組みを推進する必要があります。

適切な工期設定

建築業界においての改善として、工期設定に余裕を持たせることも大切です。タイトなスケジュールを組んでしまうと、雨の日や風が強い日などで工事が中断した場合に休日作業が発生してしまいます。トラブルを見越して余裕のある工期設定をする必要があります。

週休2日制の導入

労働基準法の目的は労働者を守ることです。労働者のライフワークバランスを整え、健康を維持するためにも週休2日を導入する必要があります。週休2日を確保するためにも先述したような事務作業のデジタル化による作業効率アップや、労働者の環境改善、適切な納期・工期設定が大切です。

36協定様式の提出

どうしても労働基準法で定められた時間以上の時間外労働が発生してしまう場合は、36協定の提出が必要です。所轄労働基準監督署⻑に提出する36協定が改正を受け新様式に変更されている点にも注意しましょう。時間外労働が発生する場合は毎年必ず提出が必要です。

労働環境改善の専門機関への相談

改善の意思はあっても、現状から具体的な改善策が見つからないこともあります。その場合は専門機関への相談がおすすめです。厚生労働省では働き方改革推進支援センターを各都道府県に設置しているため、改善策の提案に行き詰っている場合はサポートを依頼しましょう。

まとめ

労働者の健康や生活を守るための労働基準法は、社会の変化に合わせて改正を繰り返しています。

2024年4月からは時間外労働の上限規制に対して5年の猶予が設けられていた業界への適用が開始されます。時間外労働を改善し、かつ労働者を確保するためには、事務作業の効率化や過酷な労働環境の改善、適正な納期・工期設定などが必要です。

建築や運送、医療業界などには多くの課題が残されていますが、改善を進めている企業も多くあります。

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この記事の執筆・編集者

gigbase
ギグベースプラス編集部

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