近年、カスタマーサクセスが注目されているのをご存知でしょうか。
サブスクリプション型ビジネスの普及から、既存顧客との長期的な関係維持が重要視されています。
本記事では、転職を考えている社会人やカスタマーサクセスに興味を持っている方に向けて、カスタマーサクセスの仕事内容、他業務との違いについて解説していますので参考にしてみてください。必要なスキル、カスタマーサクセスになるための準備についても解説します。
カスタマーサクセスとは
カスタマーサクセスとはどのような仕事なのでしょうか。他の職業との違いや年収、将来性について解説します。
「カスタマーサクセス」と「カスタマーサポート」の違い
カスタマーサクセスとカスタマーサポートは混同されがちな職種ですが、大きな違いがあります。カスタマーサポートは受動的に顧客対応し、課題解決にフォーカスするものですが、顧客課題解決を重視するカスタマーサクセスは能動的にアプローチし、サービスの定着率に注目します。
「カスタマーサクセス」と「営業職」の違い
営業職が受注にフォーカスするのに対し、カスタマーサクセスは受注後のフォローに特化するものです。
現在は、業務効率化のために営業とカスタマーサクセスの分業が増えています。これによって、限られた人的リソースを効果的に活用できます。両者は協力し合いながら企業の利益を最大化する関係性です。
「カスタマーサクセス」と「カスタマーエンジニア」の違い
カスタマーエンジニアは、ITシステムの導入支援やハードウェア機器の設置、保守・問い合わせ対応を行います。一方、カスタマーサクセスは技術的な専門知識を持ち、製品やサービスの実装、設定、トラブルシューティングなどに対処します。
カスタマーサクセスの年収は？
カスタマーサクセスの年収は、所属企業や経験年数により変動しますが、一般的には450〜550万円ほどです。カスタマーサクセスの需要は増えつつあり、実績を積むとより高い報酬が期待できます。
カスタマーサクセスの経験や類似経験があると高年収の転職が望める傾向です。
カスタマーサクセスの将来性
SaaS（Software as a Service）の浸透が背景にあり、カスタマーサクセスは今後ますます必要とされる職種といえます。従来のシステム導入は高額な初期費用が必要でしたが、サブスクリプション導入は顧客の利便性を高め、継続的な利益獲得が可能です。
カスタマーサクセスは顧客の利用継続を促す役割を果たしており、今後も期待される職種といえるでしょう。
カスタマーサクセスの仕事内容
カスタマーサクセスの仕事内容は顧客に近い立場として多岐にわたります。具体的に解説していきます。
サービス、商品の導入サポート
顧客がスムーズに導入できるよう、従来の業務フローを考慮し、適切な提案を行います。また、サービス利用後の段階では、顧客の実際の利用状況を確認し、必要なサポートやアクションプランを提案します。
自走できるまでサポート
「自走できるまでサポート」とは、顧客がサービスを理解し、自分で利用できるよう導くプロセスです。オンボーディングとも呼び、担当は的確な説明とフォローを行い、顧客のニーズに柔軟に対応します。対面だけでなくオンラインサポートもあり、長期的なパートナーシップを築く役割です。
継続契約に向けたプロモーション
顧客がサービスを継続的に利用するための活動です。
契約期間延長を目指し、積極的なサービス利用を促進します。導入時からの活用状況を分析し、成功体験をサポートします。継続的な利用による安定した売上確保や顧客満足度向上が重要な役割です。
導入商品プラスアルファの購入の検討を促す
LTV（顧客生涯価値）向上のため、顧客に上位サービス（アップセル）や関連サービス（クロスセル）を提案します。
満足度を向上でき、サービスの利用価値を実感してもらえれば、関連サービスへの拡大も狙えるでしょう。
顧客の声を社内にフィードバック
顧客の要望や改善希望を社内に持ち帰り、サービスに反映しブラッシュアップします。顧客との深い関わりから生まれる重要な仕事で、顧客ニーズにマッチしたサービスを提供し、差別化にもつながります。
顧客の声をサービスの改善に活かすことは、より顧客満足度を高められるでしょう。
カスタマーサクセスの職業に必要なスキル
カスタマーサクセスに必要なスキルはどのようなものがあるか調べてみました。
コミュニケーション能力・リスニング能力
顧客との深い関わりを持つため、コミュニケーション能力が求められます。また、顧客の利用状況や要望を把握するためにリスニング能力も必要です。社内の連携も重要で、円滑なコミュニケーションで関係を築きながら仕事を進めることが重要です。
カスタマーサクセスにおいて、コミュニケーション能力とリスニング能力は必須のスキルといえるでしょう。
発想力（アイデア）
カスタマーサクセスのスキルには「創造力（アイデア）」が欠かせません。
顧客の課題を解決するために新しいアイデアを生み出し、論理的に提案する力が必要です。適切な言葉や資料を使い、提案を的確に伝えるプレゼンテーションスキルも重要です。
課題を発見し、解決する能力
課題を発見し、解決する能力は非常に重要です。顧客の声をヒアリングし、問題点を見極めることが求められます。
課題に対して適切な解決策を提案し、顧客の軌道修正をサポートします。コミュニケーションやヒアリングを通じて情報を得る能力が不可欠です。
ツール活用し分析する能力
ツールを活用し分析する能力は欠かせないスキルです。顧客の情報を詳細に分析し、現状を把握するだけでなく、将来の方向性を見極める必要があります。
数値やデータを論理的に解釈する力やヒアリングから得た情報を整理・分析するスキルが求められます。データ分析に長けた人材は重要な戦力となるでしょう。
立場間でのファシリテーション能力
カスタマーサクセスは他部署と連携し、顧客を成功に導くためファシリテーション能力が必要です。意見調整や折衝をし、円滑なコミュニケーションを実現します。会議やミーティングで進行役の経験があればスムーズにできるでしょう。
カスタマーサクセスになるための準備
カスタマーサクセスになるための準備についてご紹介します。
本で知識をつける
カスタマーサクセスになるための知識を本で学びたい方へのおすすめ本をご紹介します。
●カスタマーサクセスとは何か――日本企業にこそ必要な「これからの顧客との付き合い方」
弘子ラザヴィ （著）英治出版
日本企業に必要な顧客との付き合い方が書かれている通称「赤本」と呼ばれている本です。初めてカスタマーサクセスを学ぶ方にも理解しやすい内容です。
●カスタマーサクセス――サブスクリプション時代に求められる「顧客の成功」10の原則
ニック・メータ 他 （著）英治出版
日本に「カスタマーサクセス」という概念が広まったきっかけになったといわれる本です。上記の本に対して通称「青本」と呼ばれています。
●THE MODELマーケティング・インサイドセールス・営業・カスタマーサクセスの共業プロセス
福田康隆 （著）翔泳社
カスタマーサクセスの共業プロセスを学びたい方に役立つ本です。
カスタマーサクセスになるためのオススメ資格
カスタマーサクセスになるときに役立つオススメの資格をご紹介します。
●営業士
営業士はマーケティング・セールスのスペシャリストです。3つのレベルがあり、資格取得で営業・マーケティング・コミュニケーションスキルの証明ができます。成長する企業へのカスタマーサクセス転職でアピールになるでしょう。
●統計検定
統計検定は統計知識と活用力を測る試験です。データサイエンティストの需要が高まる今、データ解析スキルは重要になっています。カスタマーサクセスへの転職を考えるなら、データ分析力は大きな強みです。
まとめ
カスタマーサクセスの職業について具体的な内容、必要なスキルとおすすめの本や資格をご紹介しました。
カスタマーサクセスの仕事内容は導入サポートから顧客フィードバックまで多岐にわたり、コミュニケーション能力、分析力などが必要になってきますが、やりがいのある仕事といえるでしょう。
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