毎週、休日の最終日になると憂鬱な気分になる人も多いでしょう。一度出勤してしまえば気にならなくなるものの、出勤日当日の朝まで「休みたい」「行きたくない」と重い足取りで出かけるというのは、よく耳にする話です。
上記のような現象は、「ブルーマンデー症候群」と呼ばれています。
本記事では、ブルーマンデー症候群の原因やなりやすい人の特徴などをわかりやすく解説します。おすすめの対処法もご紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
目次
ブルーマンデー症候群とは?
ブルーマンデー症候群は、休日最終日の夕方ころから出勤日当日の朝にかけて、憂鬱な気分になることを指す言葉です。多くの会社で土日休みが採用されており、月曜から勤務がスタートするスタイルの社会人が多いことから、「ブルーマンデー」という表現が用いられています。
ブルーマンデー症候群は、あくまでも一般的な呼び方であり、医学用語ではありません。明確な定義もないため、月曜が出勤初日に当たらない場合でも、出勤初日の前日から当日朝にかけて生じる憂鬱さのことを指すととらえられています。
憂鬱さの主な原因は「ストレス」
ブルーマンデー症候群の主な原因と考えられているのは、仕事や職場の人間関係へのストレスです。
仕事は、やりがいや達成感を感じる機会である反面、さまざまな責任や我慢もともないます。一度休日をはさむと、よりネガティブな感情が上回りやすいのでしょう。休日の充実感が大きいほど、プライベートと仕事との気持ちの落差が浮き彫りになりやすい傾向がみられます。
職場の人間関係がうまくいっていない人にとっては、職場で過ごす時間自体がストレスにあたります。出勤するということは、これから緊張状態に向かうことを意味するため、憂鬱になって当然だといえる状況です。
よくあるストレス例
仕事にまつわるストレスの要因としてよく挙げられるものには、以下のようなものがあります。
- 仕事量や業務負担が大きい
- 勤務時間が長い
- 周囲から過度な期待をかけられている
- 好きな仕事ではない
- 自分の仕事に自信が持てない
- 職場に苦手な人がいる
- 相談相手や心を許せる人がいない
- 職場の人間関係が複雑
ただし、上記はあくまでも一例であり、どのようなことに対してストレスを感じるかは人それぞれです。他人から見ればたいしたことではないようなことでも、自分が「つらい」と感じるものであれば、ストレスになり得ます。
ブルーマンデー症候群になりやすい人の特徴
ブルーマンデー症候群は、特定の人だけがなるものではありません。だれでもなる可能性があるものです。しかし、なりやすいとされる性格的な傾向はわかってきています。
- 責任感が強く真面目な人
- 完璧主義な人
責任感が強く真面目な人
責任感が強い人は、一度自分が引き受けた仕事は、最後までやり切ることがほとんどです。周囲に迷惑をかけないようにと気を遣いすぎたり、頑張りすぎてしまったりする傾向にあります。
また、真面目さから、自分の仕事は自分がするべき、と思い込みがちです。完遂が困難な状況におちいっても、人に頼めず、無理を重ねてしまう人も少なくありません。
常に全力投球であるがゆえに、一度休みをはさむと、休日と勤務日の落差を感じやすいと考えられます。
完璧主義な人
完璧主義な人は、「仕事を完璧にこなさなければいけない」「失敗は許されない」という思いがプレッシャーにつながりやすいようです。自分だけでなく、周囲にも完璧さを求めるケースも多く、職場全体のミスがストレスにつながりやすいという特徴もあります。
少しのミスも気になってしまうために、理想も高くなりがちです。高い目標がさらに自分自身を追い込み、ストレスが増大していくという悪循環もみられます。
ブルーマンデー症候群にならないために!おすすめの3つの対処法
ブルーマンデー症候群にならないために参考にしたいのは、厚生労働省が推進する21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」です。心身の健康のためのセルフケアについてまとめられている部分を参考にしながら、以下の3つの方法をピックアップしてご紹介します。
- 軽い運動を取り入れる
- 平日と同じ睡眠リズムを保つ
- 自分へのご褒美やお楽しみを用意する
軽い運動を取り入れる
昨今注目が高まっている休日の過ごし方に、「アクティブレスト」というものがあります。休む際にもダラダラと過ごすのではなく、軽い運動をしたほうが疲労回復に効果的だという考え方です。
軽い運動は、心の健康を保つための重要な要素の一つとされています。適度に身体を動かしたり、簡単な運動を行なったりすることは、気分転換や達成感につながりやすいことが脳科学的にもわかってきたためです。
運動機能をつかさどる「大脳皮質運動野」と、やる気や頑張りをつかさどる「側坐核(そくざかく)」には密接な関係があるとされています。さらに、運動することで心に安らぎを与える脳内ホルモンも分泌されるため、リラックス効果も期待できるでしょう。
休日くらいはゆっくりと過ごしたいところですが、少し奮起して、適度に身体を動かすことがブルーマンデー症候群の予防につながるといえます。
平日と同じ睡眠リズムを保つ
睡眠は健康に欠かせないものだということは、多くの人が知るところでしょう。「普段睡眠不足ならば、その分休日余分に寝ればよいのでは?」と考えがちですが、実は、休日の寝だめはあまりおすすめできません。
睡眠において重要なのは、「リズムを乱さない」ことです。休日の寝だめは、生活リズムの乱れを招き、身体のだるさの要因になりやすいと考えられています。
どうしても疲れが溜まっている場合でも、普段より2時間以内の朝寝坊にとどめておきたいところです。休日にお昼寝をするなら、30分以内を目安に、15時までには終えておきましょう。
長時間のお昼寝や夕方以降のうたた寝は、夜に眠れなくなる原因になりやすく、ブルーマンデー症候群を引き起こすきっかけになりかねません。
自分へのご褒美やお楽しみを用意する
心理的な面では、休日明けの朝が楽しみになるような工夫がおすすめです。頑張って出勤する自分のために、ちょっとしたご褒美やお楽しみを用意するとよいでしょう。
好きな音楽があるなら、目覚ましに設定してみてはいかがでしょうか。アスリートが試合前に曲を聴いているのは、緊張をほぐし、モチベーションを高めるためだといわれています。
食べることが好きな人であれば、少し豪華な朝食を用意したり、通勤途中にお気に入りのカフェに寄ったりするのも手です。
自分の好みに合わせて、気分が高まる工夫を取り入れてみてください。
セルフケアでも改善しなければ、医療機関を受診しよう
セルフケアでも憂鬱感が解消しない場合には、原因がブルーマンデー症候群ではない恐れもあります。特に、心身症状がともなっているような場合には、まずは該当する診療科を受診し、検査をしてみましょう。自分では健康なつもりでいても、思わぬ病気が隠れているかもしれません。
心身症状が現れていないケースでも、あまりにもしんどかったり、憂鬱感・不安感が強すぎたりして何気ない動作も難しいようであれば、メンタルクリニックや精神科を受診すべきです。
精神的な病が潜んでいる場合、放置すればするほど悪化してしまうことも少なくありません。評判の良いメンタルクリニックや精神科の初診は1ヵ月以上待つことになるケースも珍しくないため、早めの予約がおすすめです。
まとめ
休み明けを迎えることに憂鬱な気分を感じる人は少なくありません。「ブルーマンデー症候群」と呼ばれるこの現象の主な原因は、仕事や職場の人間関係へのストレスだと考えられています。
厚生労働省は、21世紀における国民健康づくり運動「健康日本21」を推進するなかで、心身の健康のためのセルフケアについても触れています。適度な運動や睡眠リズムの維持などは、ブルーマンデー症候群の解消にも効果的でしょう。セルフケアでも改善しないようなら、医療機関の受診をおすすめします。
また、ブルーマンデー症候群に悩んでいる場合は転職して新しい職場に身を置くのも一つの手段です。