新型コロナウイルスの流行により、これまでの常識は一変しました。パンデミックの拡大を防ぐために手洗い・うがいや換気の徹底などと併せて政府からも推奨されたのは、「人が集まる環境をなるべく避ける」ことです。
上記のように、これまでの常識とは異なる新たな価値観や考え方が生まれ、定着することを「ニューノーマル」といいます。
本記事では、コロナ禍以降のニューノーマル時代における新しい働き方について、わかりやすく解説します。
目次
ニューノーマルとは?
ニューノーマル(New Normal)は、直訳すると「新しい常態」という意味です。直訳のまま、「新常態」と呼ばれることもあります。
「常態」は平常の状態を表す言葉であるため、ニューノーマルは大きな社会的変化によって生まれた新たな常識が定着することを指しています。
コロナ禍以前のニューノーマル
ニューノーマルという用語自体はコロナ禍以前から存在するものでした。コロナ禍以降と異なるのは、世界経済における新たな常態を表していた点です。
ニューノーマルという用語が最初に登場したのは、2000年代初頭でした。投資家のロジャー・マクナミー氏によって用いられたのがはじまりとされています。ネット社会の到来によって、それまでのビジネスモデルや経済論理が通用しなくなるという考えを指していました。
「第二のニューノーマル」が生まれたのは、リーマンショック後の2009年です。エコノミストのモハメド・エラリアン氏が自身の著書内で提唱し、金融危機から回復したとしても、根本的な課題解決に至らない限りもとの社会には戻らないと論じています。
コロナ禍以降のニューノーマル
2020年の新型コロナウイルスの感染拡大によって到来したのが、「第三のニューノーマル」です。日本では、「新しい生活様式」とも表現されます。
厚生労働省は、2020年5月、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐための行動指針として「新しい生活様式」を公表しました。感染リスクを低減する目的で、手洗い・手指消毒や咳エチケットの徹底といった基本的生活様式を示すものです。
2023年5月に新型コロナウイルスの感染症法上の位置づけが「5類」に変更された際に、行動指針に関しても状況にあった変革が求められたことから、抜本的な見直しが行なわれました。現在は「新たな健康習慣」として感染対策の「5つの基本」がまとめられています。
ニューノーマル時代に起きている働き方の変化とは?
コロナ禍以降のニューノーマルでは「日常生活における変化」が求められるため、必然的に、働き方にも変革が生じています。
日本企業における働き方の変化に注目したときに大きな変化といえるのは以下の2点です。
- テレワークやオンライン会議・研修の普及
- 業務のオンライン移行・DX化
テレワークやオンライン会議・研修の普及
ニューノーマル時代の働き方変革の象徴ともいえるのが、テレワークへの移行でしょう。
新しい生活様式のなかで感染リスクの一つとされたのが、3密(密閉・密集・密接)です。コロナ禍以前のビジネスシーンでは常識とされていた満員電車での出勤や社内での会議・研修の実施は、3密に該当します。自宅や自宅近くのサテライトオフィスなどで働くテレワークは、3密を回避するために新しい生活様式で推奨された働き方です。
テレワークで欠かせないのが、Web会議ツールです。テレワークの普及は、結果的に会議や研修のオンライン化の促進にもつながりました。
新型コロナウイルスが5類に変更された今では、働き方改革の一手として、さらなるテレワークの導入拡大が期待されています。
業務のオンライン移行・DX化
テレワークによる勤務形態の変化によって、さまざまな業務のオンライン化が求められました。今では、Web会議ツールやオンライン商談ツールだけでなく、コミュニケーションツールやタスク管理ツール、ワークフローなどあらゆる業務にまつわるツールが、オンラインで提供される(クラウドサービス)ようになってきています。
クラウドサービスの提供内容の幅が広がったことで、オンラインに移行できる業務も増えました。これまでは訪問がメインであった営業スタイルも、売り手・買い手双方にまでクラウドサービスが浸透したことで、リモートへと切り替わりつつあります。
さらに、経済産業省を中心にDX(Digital Transformation)が推進されていることからも、業務のオンライン化は今後ますます拡大していくとみられています。
ニューノーマルな働き方を実践するうえで注意したいこと
ニューノーマルな働き方を実践するうえでは、注意しておきたいこともあります。主に押さえておきたいのは、以下の3点です。
- コミュニケーション方法に工夫が必要
- モチベーションの維持・管理が難しい
- 情報管理にまつわるスキルやセキュリティ意識の見直し
コミュニケーション方法に工夫が必要
ニューノーマルな働き方においては、人との対面接触の機会が最低限に抑えられます。そのため、コミュニケーション方法には工夫が必要です。
コミュニケーション・オンライン会議ツールの活用はもちろんですが、意思のすれ違いや誤解などが生じそうなときには出社日を設けるのも一案でしょう。対面とオンラインコミュニケーションの違いを考慮しながら、シーンごとに最適な方法を取り入れるのがおすすめです。
モチベーションの維持・管理が難しい
テレワークのデメリットの一つとしてよく挙げられるのは、仕事とプライベートの切り替えがつきにくい点です。スケジュールやモチベーションを上手に管理できなれば、疲労感が増すだけでなくやる気が低下してしまう恐れもあります。
情報管理にまつわるスキルやセキュリティ意識の見直し
オフィス以外の場所で仕事を行なう際について回るのは、情報漏えいのリスクです。従来の働き方以上に注意を払うべきで、個人のセキュリティスキルや知識の向上は必須課題でしょう。万が一に備え、情報が漏えいした際まで想定したフローや対応策の準備が必要です。
ニューノーマル時代を生き抜くために身につけておきたい能力とは?
最後に、注意点から考えられるニューノーマル時代を生き抜くために必要な能力をご紹介します。
主に求められるのは、以下の3つです。
- オンライン上でのコミュニケーション能力
- モチベーションマネジメント能力
- 情報管理能力
オンライン上でのコミュニケーション能力
ニューノーマル時代における主たるコミュニケーション方法となるのは、オンラインを介した方法でしょう。オンラインでは、対面とは異なるコミュニケーションスキルが求められます。テキストや音声通話を通してスムーズにやりとりを行なうためには、一定の文章力や傾聴力が必要です。
モチベーションマネジメント能力
テレワークのデメリットを解消するために求められるのは、モチベーションをセルフコントロールする能力です。モチベーションの管理に適した方法は人それぞれ異なります。
具体例としてよく挙げられているのは、「就労時間を明示し、公私の時間をきっちりと分ける」「作業スペースとプライベート空間を分離する」「勤務中は仕事に行くときのような服に着替える」といった方法です。自身に合ったものを取り入れてみてください。
情報管理能力
テレワークやオンライン業務には、多くのセキュリティリスクが存在するだけでなく、次々と新たな脅威が誕生しているのが実情です。常に最新の情報をキャッチし、幅広く対応できるようにスキルアップして備えておく必要があります。
まとめ
コロナ禍以降に到来した「第三のニューノーマル」は、人々の暮らし方や働き方の新常態です。
ビジネスにおいても、テレワークやオンライン会議・研修の普及や業務のオンライン化など、大きな変化が見られており、今後も拡大していくと予測されています。