面接では自己PRや志望動機を考えておくのは大切ですが、その前に身に付けておきたいのが基本的な面接のマナーです。
身だしなみや言葉遣い、入室から面接を経て退室までの振る舞いなどは、第一印象を左右します。面接マナーは、ちょっとしたマナー違反から不採用となる可能性もある、企業が重要視するポイントの一つです。
本記事では、面接で失敗しないために必要な面接マナーについてご紹介します。
目次
面接におけるマナーとは
面接に必要なマナーの基本的なものとして「振る舞い」、「言葉遣い」、「身だしなみ」の3つのカテゴリを身に付けることが重要です。
面接マナーは「できて当然」なものとして見られるため、マナーが身に付いていないと判断されるとマイナスの評価となります。3つのカテゴリに整理して、それぞれに必要な面接マナー対策を心がけましょう。
面接マナー【振る舞い編】
面接当日の流れに沿って「振る舞い」の面接マナーについて解説します。
受付
面接会場の受付で氏名や所属を告げて、どのような用件で来たかを簡潔に伝えましょう。
面接は受付時からすでに始まっています。丁寧な振る舞いや言葉遣いを心がけ、時間には余裕を持った行動が必要です。受付の時間は、遅れるのはもちろんのこと、早すぎるのもマナー違反となります。
また、コートなどの上着を着用している場合は、玄関の外で脱ぎ、内側に折りたたみ腕にかけて携行するようにしましょう。
待機時間
大きな声で私語をする、携帯をいじるなどはマナー違反です。待機時間であっても見られていることを意識し、姿勢を正して待つようにしましょう。また、携帯電話などの電源は確実に切るか、マナーモードに設定することを忘れてはいけません。
入室
ノックをゆっくりと3回行い、面接官の反応があってから入室します。入室後、扉を閉める際に後ろ手で閉めるのはマナー違反なので注意しましょう。
扉を閉めたら面接官のほうに向き直り、「失礼します」と一礼ののち椅子の左、もしくは後ろに移動します。
移動後、氏名とともに「よろしくお願いいたします」と一礼を行い、面接官に勧められてから着席しましょう。
面接
鞄は足もとに置き、背筋を伸ばして笑顔を意識しましょう。
椅子の半分くらいの位置に顎を引いて、若干肩を後ろに引くイメージで座るのがポイントです。女性の場合は膝を離さずにそろえて座りましょう。
面接中は面接官の目を見ながら自然な笑顔で受け答えすることが大切です。また、アイコンタクトでのコミュニケーションも印象や評価に大きく関わります。
退室
面接が終わったら、着席したまま「本日はありがとうございました」と一礼します。
起立後、椅子の横で再度一礼したのちに扉の前まで移動します。時間を取っていただいたことに対する感謝の気持ちを込めることが大切です。
扉の前で「失礼いたします」と挨拶をし、退出しましょう。面接が終わったからといって気を緩めることなく、自宅に無事に帰り着くまでが面接だという気持ちが必要です。
面接マナー【言葉遣い編】
受付時や面接中でも失礼にあたらないような言葉遣いを身に付ける必要があります。普段使っている言葉遣いではマナー違反となり、無意識に使ってしまう可能性があるので、普段の生活での練習が必須です。
一人称は「わたし」に統一
面接中に使う一人称は「わたし」に統一するのがおすすめです。「俺」、「自分」、「あたし」などはカジュアルすぎるため避けたほうが良いとされます。
本番での緊張感から普段の一人称を使ってしまう可能性があるので、面接が近くなったら普段の生活から取り入れ、慣れておくことが大切です。
「御社」と「貴社」の混同に注意
面接を受ける会社を指す言葉は「御社」を使うようにしましょう。混同しやすい「貴社」は書き言葉であり、履歴書などで使うと思いますが、話し言葉としては「御社」が適切であり、使い分けが必須です。
逆に履歴書などに「御社」と書いてしまうのもマナー違反となります。書くときは「貴社」、話すときは「御社」と覚えておきましょう。
「です・ます」調を上手に使う
面接では「です・ます」調の丁寧語を基本とした話し方が適切です。言葉に詰まって語尾を伸ばしてしまったり、会話が盛り上がってついタメ口を使ってしまったりすることがないよう心がけるのも重要となります。
「あの・その・えっと」などのつなぎ言葉に注意
「あの・その・えっと」などの空白を埋めるような言葉はつなぎ言葉といい、多用することで「歯切れがよくない」「自信がない」などの悪い印象を与えるため避けましょう。
無意識に出ている可能性もあるので、面接の練習などを繰り返し行って改善しておくことをおすすめします。
面接マナー【身だしなみ編】
第一印象としても判断しやすい服装などの身だしなみのポイントは、誰が見ても悪い印象を与えないことです。清潔感や誠実さに重点を置くことを意識しましょう。
髪型
髪型は表情がきちんと見え、清潔感を印象づけることが重要です。前髪は短く切りそろえ、サイドは耳が見えるよう整えましょう。髪が長い場合は後ろできちんと一つにまとめましょう。
髪色は、黒が基本的に良いとされますが、地毛が明るい色の人が黒に染める必要はありません。
メイク
メイク自体は個人の自由ですが、フォーマルな場ではメイクしたほうが良いとされます。
また、派手過ぎないナチュラルなメイクが一般的ですが、業界の求める人物像に合わせたメイクが必要です。例えば、美容やアパレル関連の企業であれば、華やかさを意識したメイクが好印象となります。
スーツ
ビジネスシーンでは欠かせないスーツについて、男女別に解説します。
男性編
暗めのカラーでシンプルなデザインのスーツがおすすめです。ネクタイはジャケットに合わせたシンプルなもの、靴下は黒か紺のカラーを選びましょう。
着こなしとして、シャツはジャケットの袖口から1.5cmほど出し、ジャケットの下ボタンは外しておくのが適切です。
女性編
男性と同じく、暗めのカラーでシンプルなデザインのスーツがおすすめです。スカートは膝までのもの、パンツは足の甲に触れる程度の長さのものを選びましょう。
着こなしとして、ブラウスの袖は出さず、ストッキングは肌色に近い柄のないものが適切です。
靴
黒の革靴かパンプスがおすすめです。ヒールの場合は、3〜5cm程度のものを選びましょう。靴は目線の行きやすい箇所でもあり、汚れていると目立つので、事前にしっかりと磨いておくことが大切です。
また、当日に靴ずれなどを作らないよう、履いて慣らしておくか応急処置のできるものも持参するとよいでしょう。
コートや上着
ダウン素材やファー付きなどの派手なデザインや極端に着丈の短いコートは避けましょう。
コートや上着は基本的に企業の玄関外で脱ぎ、内側に折りたたんで腕にかけて持ち歩くのが適切です。面接中は、床に置いた鞄の上に置くようにしましょう。
鞄
面接中は鞄は床に置くので、自立するタイプの鞄がおすすめです。暗めのカラーでA4サイズの書類などが入る大きさのシンプルな鞄を選びましょう。男性は手提げ、女性は肩にかけるタイプが主流です。
腕時計
派手な装飾の時計やカジュアルすぎるデザインの時計は避けましょう。また、ビジネスシーンでの腕時計の着用はマナーとされており、持っていないから着用しなくて良いわけではありません。
志望企業へ就職するには正しい面接マナーが必須
就職・転職活動において、「振る舞い」、「言葉遣い」、「身だしなみ」の3つの基本的な面接マナーを押さえておくことが重要です。
面接マナーは面接結果を左右する重要な評価基準であり、記憶しておくだけでなく、繰り返し練習することでしっかりと身に付けておく必要があります。
面接当日に問題なく実践できるよう普段から面接マナーを意識した行動を心がけましょう。