「会社から帰ってきたあとも、休日も、常に仕事のことが頭から離れない」
このような人は、もしかしたらワーカホリックの状態に陥ってしまっているかもしれません。ワーカホリックはただプライベートの時間が削られるだけでなく、心身の健康や人間関係に悪影響を及ぼす恐れもあります。
この記事ではワーカホリックという言葉の定義や、ワーカホリックになりやすい人の特徴、改善点などをわかりやすく解説します。ワーカホリックのセルフチェックリストも掲載しているため、ぜひ参考にしてください。
ワーカホリックとは?
ワーカホリックとは英語の「Work(仕事)」と「holic(~中毒)」という単語を組み合わせた言葉です。仕事に没頭するあまり、常に仕事のことが頭から離れなかったり、常に仕事をしていないと落ち着かなかったりする状態を指します。
日本では近年「働き方改革」への意識が高まっており、ワーカホリックの改善方法にも注目が集まっています。
ワーカホリックにともなう弊害
仕事に夢中になることは、けっして悪いことではありません。しかし、あまりに仕事を優先しすぎると、健康や人間関係に悪影響を及ぼすこともあります。
うつ病など心身の健康リスクが高まる
ワーカホリックの人は仕事を優先するあまり、食事や睡眠がおそろかになる傾向があります。
食事や睡眠は私たちが健康を維持するために欠かせない要素です。
仕事に没頭しすぎて栄養バランスが偏ったり、睡眠の質が低下したりすると、心身にさまざまな不調が生じかねません。自分でも気付かないうちにストレスが蓄積され、うつ病になるリスクも高まってしまいます。
人間関係がおろそかになる
ワーカホリックの人は人間関係よりも仕事を優先する傾向があります。仕事とプライベートの明確な境目がなく、四六時中仕事のことを考えているため、人とのコミュニケーションがおろそかになりがちです。
結果、人間関係が希薄になり、家族や友人との関係性が悪化してしまう恐れもあります。
セルフチェック!ワーカホリックになりやすい人の10の特徴
ワーカホリックになりやすい人にはいくつかの共通点があります。
以下の特徴に当てはまる人はすでにワーカホリックになりかけているかもしれません。
- 休日も仕事のことで頭がいっぱい
- 仕事のために睡眠や食事の時間を削っている
- 仕事以外に熱中できることがない
- 家族や友人との関係が希薄
- まじめで責任感が強い
- 負けず嫌いで完璧主義
- 自ら進んで残業する
- 常に仕事の連絡を気にしてしまう
- 人から頼まれたことは断れない
- 承認欲求が強い
それぞれの特徴を以下で詳しく解説していきます。
休日も仕事のことで頭がいっぱい
ワーカホリックの人は買い物や趣味など仕事以外の時間を「ムダ」と感じがち。本来は頭や身体を休めるための時間にもかかわらず、休日も仕事のことが頭から離れず、つい仕事用のパソコンや資料に手を伸ばしてしまう傾向があります。休日も「仕事をしなくては」と強迫観念にかられる人はすでにワーカホリックの一歩手前です。
仕事のために睡眠や食事の時間を削っている
仕事を進めるために睡眠時間を削ったり、昼休みにも食事を取りながら仕事のメールをチェックしたりしていませんか?
特に急ぎの仕事がないにもかかわらず、ついつい睡眠や食事より仕事を優先してしまう人は注意が必要です。
仕事以外に熱中できることがない
ワーカホリックの人は仕事以外に熱中できるものがなく、人生の時間の大半を仕事に費やそうとします。
これといった趣味を持たないケースが多く、もはや「仕事=趣味」になっている人も少なくありません。
家族や友人との関係が希薄
ワーカホリックの人は、終業後や休日もつい仕事に手を伸ばしてしまうことが多く、外食やレジャーよりも仕事を優先しがちです。
誘われても断ることが増えると「付き合いが悪い人」というイメージを持たれてしまい、人間関係がどんどん希薄になっていきます。
仕事を理由に家族や友人からの誘いを断ることが増えている人は注意が必要です。
まじめで責任感が強い
何事にもまじめで責任感が強い人はワーカホリックになりやすいとされています。責任感が強い人はまわりに頼ることが苦手で、自分だけで仕事を完遂しようとする傾向があるためです。
すると、しばしば仕事をさばき切れなくなり、仕事にかかる時間が増大。生活での仕事の比重も増えて、ワーカホリックに陥りやすくなってしまいます。
負けず嫌いで完璧主義
完璧主義な人はすべての仕事に100%の仕上がりを求めようとします。また、同期や後輩に負けたくない気持ちが強く、ついつい仕事に完璧を求めてしまうケースもあるでしょう。
しかし、与えられた業務をすべて完璧にしようとした場合、いくら時間があっても足りません。
また、「100%の仕事」を求めるあまり、常に改善点や修正箇所がないか気にかかり、ワーカホリックに陥ってしまう場合もあります。
自ら進んで残業する
特に忙しい時期でもないのに自らすすんで残業したり、何時間もの残業に美徳を感じたりする人はワーカホリックになりやすい傾向があります。「残業=かっこいい」という感覚になっている人は十分注意しましょう。
常に仕事の連絡を気にしてしまう
休日でもふと仕事の連絡が来ていないかと気になって、スマートフォンやパソコンをチェックしてはいませんか?
自宅にいても仕事の連絡が気になってしまう人は、常に頭のどこかで仕事のことを考えている可能性大。仕事とプライベートの境目が曖昧になっているため、ワーカホリックに陥るリスクが高い状態です。
人から頼まれたことは断れない
断ることが苦手な人はワーカホリックのリスクが高いため要注意です。
すでにキャパシティをオーバーしているにもかかわらず、ついつい多くの仕事を抱え込み、自ら時間外労働や休日出勤を増やしてしまいます。
承認欲求が強い
仕事で成果を上げることは個人の自己実現にもつながるもの。しかし、承認欲求が人並み外れて強い人は、仕事で評価されるために、食事や睡眠などのプライベートの時間を犠牲にしてしまう傾向があります。
ワーカホリックの改善方法
ワーカホリックを改善するなら、以下の6つの方法が効果的です。すべてを実践する必要はないため、取り入れやすいものからチャレンジしてみてください。
仕事のオン・オフを切り替える
仕事とプライベートの区切りが曖昧なことも、ワーカホリックを加速させる原因に。生活にメリハリをつけて、仕事のオン・オフを意識的に切り替えましょう。
テレワークの人は仕事用スペースと生活スペースを分けるのもおすすめです。
他者と積極的に交流する
他者との交流が少ないと、仕事一辺倒の生活に陥りがちです。同僚を食事に誘ってみたり、学生時代の友人に久しぶりに連絡を取ってみたり、自分から積極的に交流の機会を設けることでワーカホリックから抜け出しやすくなるでしょう。
没頭できる趣味をつくる
以前から気になっていた場所に行ったり、学生時代に打ち込んでいたスポーツを再開したり、仕事以外のことに没頭する時間を積極的につくりましょう。
社会人サークルや習いごとに通いはじめれば、他者と交流するきっかけにもなり一石二鳥です。
食事中は「食べること」に集中する
仕事にかかりきりで食事すらおろそかになっている状態は心身の健康に悪影響を及ぼしかねません。スマートフォンやパソコンがそばにあると、つい仕事のことが気になってしまうものです。会社の昼休みはできるだけデスクから離れた場所で食事を取るとよいでしょう。
仕事を引き受ける量をセーブする
業務量が多すぎて、否応なしにワーカホリックな状態に陥っている人もいるでしょう。
任されている業務量が自分のキャパシティを超えている場合は、仕事の量を自分でセーブすることも大切です。「断れない自分」を脱し、業務時間内でこなせる量の仕事を受けるようにしましょう。
無理なく働ける職場に転職する
企業の体質や職場の人間関係がワーカホリックになりやすい環境を生み出している可能性もあります。「長時間残業が常態化している」「成果を競うために、家でも仕事をするのは当たり前」という職場に居心地の悪さを感じている場合は、無理のない働き方ができる職場に転職するのもおすすめです。
まとめ
ワーカホリックとは仕事に没頭しすぎるあまり、生活やプライベートがおそろかになってしまっている状態です。仕事に熱中するだけであれば問題ありませんが、健康や人間関係に悪影響を及ぼしているなら、早めに対処する必要があります。
職場の体質が原因なら思い切って環境を変えるのも一つの手となるでしょう。